肌がすべすべ……。

彼が何歳なのか知らないが、十七歳の私よりずっと張りのある肌をしている。

目を閉じているとまつ毛の長さが際立ち、色素の薄い唇はそこはかとなく色気が漂っていて、見ているこちらが照れてしまうほどだ。


「白蓮さん、お食事です」


耳元で囁くように言うと、彼は少し身じろぎした。


「白蓮さん」


もう一度名前を呼んだところで、彼は目を閉じたまま口を開く。


「彩葉か。もう少し寝かせてくれ」
「キャッ」


白蓮さんは寝ぼけているのか私の腕を強く引くので、彼の体の上に倒れ込んでしまった。

しかも、離れようとしたのにがっちり抱きしめられて動くことすらできない。
寝ているというのにすごい力だ。


「ちょっ……」
「彩葉さまー。準備できました」


そのとき、廊下を走ってくる勘介くんの軽快な足音がして、もう一度もがいてみたが離してもらえない。