和花さんは特にへこんでいる様子もなく、あっけらかんと言う。

このポジィティブな感じ、嫌いじゃない。


「あはは……」


食べてあげるのは優しいが、笑顔でとまではいかないか。
毎日おこげのオンパレードでは。


「そう……。和花さんも勘介くんも食べるよね?」
「はい!」


元気のいい返事は勘介くんだ。

さっきこっそりつまみ食いしたのを目撃したが、気に入ってくれたのだろう。


彼は小皿をいくつも出し始めたので止める。


「ね。皆で食べようよ。大皿にドーンと盛って、そこから取り分けるの」


ワイワイガヤガヤ言いながら食事を楽しむのは、長い間祖母とふたりきりの生活だった私のちょっとした願望だ。


「いいですね。それでは大広間に机を準備してまいります。勘介、運んでね」
「わかった」


小さな勘介くんにかなり大きなお皿に盛ったお料理は重いのではないかと思ったが、彼は難なく片手で持っている。

あやかしは力持ちなのかも。