「わ、わかりましたから。仲良くしましょう。ね?」
どうしてもいらないことを口にしてしまう勘介くんが叱られっぱなしなのが気の毒で、とりあえず間に入った。
なんとか雪那さんをなだめて出ていってもらったところで、改めてお肉の箱を覗き込み、豚バラ肉を選ぶ。
調理場に目を移すと、しょうゆや砂糖、塩、味噌までそろっている。
そして驚いたのは、スーパーでよく見る鶏ガラスープの素や、ケチャップまであることだ。
川下さんが、現世のお金を稼いでくれるおかげかしら。
これなら今までどおりの調理ができそうだ。
「さあて。和花さん手伝ってくれる?」
「もちろんです」
彼女の笑顔が弾けているので、私の気持ちも上昇してくる。
白蓮さんといい彼女といい、私が戻ってきたことを本気で喜んでいるのが伝わってきた。
昔の記憶はないとはいえ、ありがたい。