浴衣を着替えようとしたものの、どうやら私の制服はところどころ破れてしまっていたようだ。
この浴衣は誰が着替えさせてくれたのだろう。
まさか、白蓮さん?
口移しで解毒薬を飲ませたと言う彼なら、なにも気にせずそうしたことまでしてしまいそうだ。
でもさすがにちょっと……。
制服の代わりにと早春に咲くかわいらしい紅梅の花の色・紅梅色の着物を勘介くんが持ってきてくれた。
「ありがとう。かわいらしい着物ね」
「白蓮さまが彩葉さまにはこれがいいとお選びになったのです」
「そう……」
こうしたピンク系の服を選んだことがない私は少しためらった。
というのも、こんなかわいらしい色が自分に似合うとは思えなかったからだ。
しかし、せっかく選んでくれたのだから袖を通すべきだろうな。
「ねぇ、この浴衣に着替えさせてくれたのは、もしかして……」
「和花ですよ。白蓮さまが和花にそう」