次に目覚めたときには、すっかり頭痛は治っていた。

独活って効くのかも。
でも、もう一度飲む勇気はない。

窓のほうに気配を感じて視線を移すと、白蓮さんがいた。

ずっといてくれたの?


「気分はどうだ?」


私に近づいてきて腰を下ろした彼は、顔を覗き込んでくる。


「頭痛は治まりました」


そう答えると彼が不意に私の首筋に触れるので、体がビクッと震えた。


「熱もないようだ」


彼に邪な気持ちがないことはわかっているが、男性に触れられることに慣れていないので、いちいち心臓がバクバクと音を立てる。


「なにか食べられそうか? 作るように言ってあるのだが」
「はい」


私はどれくらい気を失っていたのだろう。


「勘介」
「はいーっ」


彼が勘介くんを呼ぶとバタバタと足音がして走り込んできた。


「飯はどうなってる? そろそろ昼だぞ」
「あー、和花(わはな)が焦がしてしまって、作り直しを……」