「それは無理です。彩葉さま、ものすごーく苦いから頑張ってください」
早々に私のお願いを却下した勘介くんが、きっといらないことを口走ったと思う。
「だから勘介。お前は思ったことをなんでもかんでも口にするなと言っているだろう。彩葉の顔が引きつっているじゃないか」
待って。そんなに苦いの?
「大丈夫ですよ。僕も三回くらいしか吐き出してないですから」
勘介くん、それも余計なことだと思うの。
三回吐き出すほど強烈な苦さだということか。
頭が痛いなんて言わなければよかったと、かなり後悔していた。
「まあ、勘介が飲んだのだから、当然飲めるよな?」
白蓮さんは優しいと思っていたのに、意外と容赦ない。
勘介くんの前で飲めないとは言えず、薬を受け取って一気にのどに送った。
うわ、まずい……。
吐き出すほどではないが、口の中に苦みが広がり水を飲み干してしまうほどだった。
「彩葉さま、すごい!」