墓苑で黒爛があっさりと身を引いたことや、神社にはほかのあやかしを引き連れてきたことを考えると、私の影響力が自分の想像の範疇を超えている気がしてなんだか怖い。
白蓮さんが勝手に言っているわけではなく、黒爛までもがその影響力を認めているということだからだ。
「彩葉が命を落とすことを、お前の両親やばあさんが望むとでも?」
その聞き方はずるい。
答えはひとつしかないでしょ?
「いえ……」
「まあ、しばらくはここで療養してゆっくり考えろ。まだ体がだるいのではないか?」
私はコクンとうなずいてもう一度布団の中に戻った。
しびれる感じも熱っぽくもないが、体が鉛のように重い。
「もう一度布団に入れ。寝付くまでここにいてやる」
と言われても……いろいろ衝撃すぎて眠そうにない。
「脳が沸騰中か?」
「そうですね。なにから考えたらいいのかわかりません」
彼から聞いた話がすべて真実なのか判断する材料もない。