あの夢に出てくる私は、四、五歳くらいの小さな子だけれど、その頃にも助けてもらったことがあるということ?


「勘介。お前はもういい。用があれば呼ぶから退室しなさい」
「かしこまりました」


勘介くんの話を遮った白蓮さんは、彼を部屋から追い出した。


「すまない。勘介に悪気はないのだが素直すぎて、なんでもぺらぺらと……」
「い、いえっ。あの……助けてくださったというのは、私が小さな頃のことじゃないですか?」
「無理に思い出さなくてもいい。しかし俺は、ずっとお前を探していたんだ」
「え……?」


思いがけない言葉に、キョトンとする。

どうして妖狐が私を探すの?