「邪魔なんだ。お前がいなければ……」


体は動くが、昨日と同じようにすさまじい殺気に気圧されて、震えが止まらない。


ふたりは結託して私をだましたのではないの?

とうとう伏せていた視界に黒爛の足が入り、私はとっさに横に走り出した。

しかしすぐにドンとなにかにぶつかったと思えば瞬間移動でもしたのかそれは黒爛で、首に手が伸びてきてギリギリと絞められ始める。
しかも片手で。


「んんんんっ!」


必死にもがいて黒爛の手をはがそうとしたもののびくともしない。

嫌だ。死にたくなんてない。


「汚い手を離せ!」


いよいよ意識が遠のきそうになったとき、低い怒号が耳に届き黒爛の手が離れる。

助かった?

地面に崩れ落ちた私は、絞められていた首を押さえて、肩を大きく上下させながら酸素を貪った。


そしてうっすらと目を開けると、黄金色の髪が見える。
白蓮さんだ。


「またお前か」