豆腐ドーナツは、なかなかおいしくできあがった。

つまみ食いをした勘介くんが、ほっぺが落ちそうと言わんばかりに両手で頬を押さえて「ふぅぅぅー」という意味不明な声を発している。
訳すとおそらく、『うまうまー』だと思う。

そしてその横で、河太郎くんも勘介くんを真似して頬を押さえる。


このふたり、なかなかいいコンビだ。


鬼童丸さんが配膳の手伝いのために顔を出すと、河太郎くんが私の背中に隠れるのはいつものこと。

でも、今日は隠れつつもこっそり鬼童丸さんのことを目で追っているのに気づいた。


「河太郎。大広間だといっぱい食べられるよ。行こー」


なんと勘介くんがリーダーシップを発揮して河太郎くんの腕を引いた。

まあ、空気を読まなかった可能性のほうが大きいけれど……。


河太郎くんがどうするのかドキドキしながらあとを追うと、母屋に足を踏み入れたところでやはり尻込みして首を横に振っていた。


「頑張らないと白蓮さまに食べられちゃうけど、僕がとってあげるよ!」


勘介くん、河太郎くんの心配はきっとそこじゃないのよ……。

困り果てた様子の河太郎くんを見て、助け船を出そうとしたそのとき。