「ちょっと時間かかるよ?」
「見てないと白蓮さまに食べられちゃうもん!」
「食べないわよ」

いや、時々食べるけど……。

このまま見ているの?と思ったとき、和花さんが口を開いた。


「彩葉さま、雪那さんに頼みましょう」


そういえば、食べ物を冷却するのは雪女の得意技だった。


「あ、そうだった。呼んできて?」


和花さんに呼ばれた雪那さんは、渋々ながらも台所にやってきた。


「これ、冷やしてもらえないかな、と」


控えめにお願いすると、彼女は小さくため息をついた。


「まったく。この私に雑用をさせるなんて」
「雪那さんは雑用係じゃん」


ちょっと、勘介くん! その発言はまずいって。と息を呑んだ瞬間。


「お前を凍らせてやろうか」


こ、怖っ。


「彩葉さま、順調ですか?」


そこに鬼童丸さんが顔を出す。
彼は河太郎くんがいることに驚いた様子だったが、河太郎くんは私の背中に隠れてしまった。