感想、くれるといいな。

まだ河太郎くんの声を聞いたことがない私は、たとえ『まずい』でもいいからひと言聞きたいと願っていた。


今日は鬼童丸さんが不在で、白蓮さんが一緒にどら焼きを食べてくれる。


「この皮の部分もうまいんだな」
「生地を混ぜすぎないのがコツなんです」


勘介くんが張り切って勢いよく混ぜ始めたので慌てて止めた。
混ぜるのは彼の係だから仕方がないけれど。


「それにしても和花のは、餡を入れすぎなんじゃないのか?」


白蓮さんが呆れ声を出しているのは、和花さんが手にしているどら焼きの餡が皮からはみ出しているからだ。


「だって、こんなにおいしいもの初めて食べたんですから」


どうやら餡の存在を知らなかったらしく、何度もつまみ食いしていた。


「そうか。それでは仕方がない」


和花さんがあまりに真剣に訴えるので、白蓮さんが折れている。

皆に笑顔が広がる。
ここに河太郎くんが入れればいいのに。