「おぉ、溶ける」
「はい。甘すぎますか?」


勘介くんたちは気に入っていたようだけど、どうだろう。


「ちょうどいいんじゃないか? うまいな」
「ありがとうございます。河太郎くんも気に入ってくれるといいんですが……」


問題はそこ。
プリンを持っていったときは少し目が大きくなった気もしたけれど、すぐに無表情に戻った。

「勘介に、どうしてもらうと安心するか聞いていたんだ」
「あっ、さっきのですか?」
「そう。抱っこしろとか恥ずかしいことを言うから、まあ……」


恥ずかしいなんて言いながらちゃんとしてあげる彼は素敵だと思う。


「彩葉もそうだったからなぁ。毎晩俺の腕の中に飛び込んできた」
「知りませんよ、そんな……」


そんな話を聞かされると照れくさくてたまらない。

けれど、寂しいときは誰かに抱きしめられると安心するのは本当かも。
私も彼の尻尾にずいぶん助けられた。