それで、本当にどうにもならない案件は白蓮さんの出番。とくに月の世とのもめごとはほとんど彼が解決するらしい。
「本当は鬼童丸さんも一緒に行かなくてはいけないんですよね」
彼は私の護衛のためにここに残っている。
「まあ、以前はそうでしたが別の者が一緒に行っておりますし、こうしてプリンをいただけるので最高です!」
彼は最後のひと口をパクッと口の中に入れた。
自分で自分の命を守ることができないのは承知している。
黒爛どころか、もしかしたら力の強い勘介くんあたりでも、抵抗してもムダかもしれない。
でも、私のせいで幽世のあやかしたちが不自由することはないのだろうか。
「彩葉。なにへこんでいるんだ?」
そこに現れたのは白蓮さんだ。
鬼童丸さんはギョッとしている。
「いえ……。私のせいで鬼童丸さんが街に行けないから、街のあやかしたちが困っているんじゃないかと」