けれども、どうやら前世の私を知っているようなので、最低でも三百歳は超えているということになる。
「まあ三百五十歳なんてまだまだ子供だが」
三百五十歳で子供って。
いろいろ衝撃だ。
「あやかしの寿命っていくつなんですか?」
「いくつなんだ?」
「さぁ?」
白蓮さん鬼童丸さんが口々に言い合う。なんて適当な世界なのだろう。
でも、気が遠くなるほど長いから気にならないのかもしれない。
「それじゃあ白蓮さんはおいくつですか?」
「俺は多分……七百は超えたと思うが、数えていないから知らん」
人間なら歳を気にするものだが、いろいろ価値観が違うと思わされる。
でも、それでは私は彼らよりずっと先に寿命が尽きるのか。
人間なら百歳生きたら長いほうだ。
なんだかそれは寂しい。
まだまだずっと先の話なのに気が滅入る。
私が黙り込んだからか、隣に座っている白蓮さんが顔を覗き込んでくる。