「勘介くん、たくさんあるから大丈夫。それじゃあ先にあげるね」
頬にご飯粒をいっぱいつけた彼の茶碗に盛り始めると、鬼童丸さんが「あはは」と声をあげて笑いだした。
「幽世で白蓮さまをあと回しにできるのは彩葉さまくらいですね」
「まったくだ。勘介に負けるとは」
白蓮さんも呆れ声を出している。
白蓮さんは幽世では絶対君主で、彼に敵うあやかしはいないと言う。
あの黒爛ですらひとりでは太刀打ちできないのだから、相当なのだろう。
でも、神社で黒爛と戦ったとき以外は強いと感じる姿を見ていないのだから、ピンとこない。
それどころか、時々いじられることはあるものの、彼は優しいし。
「勘介くんは子供なんですから、大人は我慢してください」
「子供って、勘介は彩葉より何百歳も年上だぞ」
「あ……」
見た目が小さくて子供のようだし、行動も白蓮さんたちと比べると幼いので、完全に子ども扱いしていた。