もう二度と彼女の命を危険にさらすようなことがあってはならない。
「ですが、あれからお食事の量も極端に減っておりますし。白蓮さまがお倒れになるようなことがあれば、それこそ彩葉さまはお困りになります」
そうだろうか。
彩葉は俺に出会ったばかりに、こんな過酷な運命を背負ってしまったのではないのか?
しかも、この先必ず黒爛の手が彼女に伸びる。
いっそ俺がいなくなれば、この先は平穏に暮らしていけるのでは?
陽の世を守ることが俺の仕事だったのに、彩葉のやつれた姿があまりに衝撃的すぎて、ふとそんなことを考えていた。