私はその中に入れてもらえて、ようやく自分らしさを取り戻すことができたような気がしている。

作り笑いではなくお腹の底から笑い、時には苦しくなることもあるけれど、それをごまかさなくていい。


「私、ここにいてもいいですか? 人間でも、仲間に入れてもらえますか?」
「それを望んでいるのは俺のほうだぞ。本当にいいのか?」
「はい。だって、白蓮さんは三百年も待っていたなんて言うし……」


そこまで口にしたところで、本当に一途なんだなと他人事のように感心してしまった。

雪那さんの鬼童丸さんへの恋心もそうだが、あやかしって人間より純粋なのかも。


「そうだ。長かったな……。でも、お前は必ず戻ってくると信じていた。それで、嫁になるのか?」
「そうは言ってません。その件は保留です」