それから五日。
やはり夜はうなされて、そのたびに尻尾の力を借りることとなった。
ここ数日は寝入るときからそばにいてくれるようになったので、朝までぐっすり眠ることができている。
負担をかけるからとどれだけ断っても、「彩葉がうなされているのに、のうのうと眠っていられるほど冷たくはない」と譲らない。
触れた直後は顔を真っ赤にして脱力しているくせして、「何度でもいいぞ」と優しかった。
今朝は、目を開くと白蓮さんが隣にいて飛び起きた。
いつもは私が眠ったのを確認して部屋に戻る彼だけれど、どうやらそのあともうなされて逆戻り。
そのまま彼もうとうとしてしまったらしい。
私は目覚めない彼をそのままにしておいて、朝食づくりに台所に向かった。
和花さんは私の手順を真剣に観察している。
私が祖母の料理を覚えていた頃と同じだ。
「この黒豆の煮物、大好評ですね」