「よくわかっているじゃないか。そろそろ嫁になるか?」
「なりません!」
「俺の求婚をはっきり断れるのは彩葉くらいだ。まあいい、飯にするぞ」


一緒に食べてもいいと、許可された?


「豆吉くん、食べよ」


私は腰が引けている彼を部屋の中に入れ、勘介くんの隣に座らせた。

それからは取り合いの昼食が始まった。


「勘介、欲張りすぎよ!」


自分の皿に山盛りにした勘介くんを、和花さんが怒っている。


「食べるからいいでしょ? 和花だってツナばっかり。きのこも食べなきゃ」


小競り合いしているふたりを白蓮さんは楽しそうに笑みを浮かべて見守っている。


「豆吉くんも早く食べないとなくなるよ。ほら」


手を出さない豆吉くんにどっさり盛ると、最初は遠慮がちだったがそのうちパクパクと食べ始め「おいし」と小声で漏らした。

どうやら気に入ってもらえたようでうれしい。


「彩葉はなにを作らせてもうまいな」