ほとんど片づけが済んだところで大根おろしもできあがった。


「さっきの大根おろしも和花さんが作ってくれたの。それをダメにしたんだから謝ろうか」


豆吉くんに促したが、彼はプイッと横を向いてしまい反抗的だ。


「悪いことをしたら謝る。これは基本中の基本よ。ほら、私も一緒に謝るから」


私は彼の頭を無理やり和花さんのほうに向け、そして下ろした。


「ごめんなさい」


私が言うと、彼はかなり小声で「ごめんなさい」と続く。


「まあ……ぎりぎり合格ね。和花さん、本当にごめんなさい」
「いえっ、彩葉さまがお謝りにならなくても……」
「その大根おろしをのせて、あとはだし醤油をかけてくれる? それと、取り分け皿をもう一枚追加で」
「はぁ……」