「お魚も」


他にはにしんと昆布の煮つけ、なすとオクラの揚げびたし、それからきゅうりの浅漬けも作ることにして早速手を動かす。


「勘介くんは?」


いつもうろちょろしているのに、今日は姿が見えない。


「今朝は雪那さんにつかまって洗濯をしています。あっ、彩葉さまも洗うものがあれば、勘介に」
「あっ、いえ……私は自分で」


下着を彼には頼めない。


そういえば私の下着は、和花さんを通じて女性のあやかしに依頼してうつしよで買ってきてもらったが、下着の類はどうしているのだろう。

下着を作るのがうまいあやかしがいる?


「和花さんたちは下着をどちらで求めているの?」

「うつしよではパンツというものをはくんでしたね。私たちはつけませんからかくりよにはございませんので、またうつしよで買ってきてもらうかご自分で行かれるかですね。そういえば白蓮さまもうつしよによく行かれていましたけど、彩葉さまに会うためだったのでは?」


現世に行くたびに桜庵に寄っていたようなことは言っていたけど、祖母の料理が好きだっただけで、特に私に会うためだったわけじゃないと思うけどな。