白蓮さんを襲おうとした日のことについて詳しく語りだしたので、ひたすら耳をそばだてる。
「その場でのどをと突こうとしたら、今度は白蓮さまに短刀を取り上げられて、ここに」
「そうでしたか……」
「私、あの人に利用されただけだとわかっていたの。でもそんな自分が情けなくて、認めることができなくて……」
視線を落とした彼女は唇を噛みしめている。
「情けないなんて……。志麻さんは恋をしただけでしょ?」
なんて、まともな恋をしたことがない私のセリフではないことは重々承知だけれど続ける。
「今回は成就しなかっただけ。しかも、そんなひどい男と別れられて正解ですよ。絶対に」
興奮気味に力説すると、彼女は視線を合わせてくれた。
「鬼童丸さんもそうおっしゃっていました」
「でしょ? 志麻さん、こんなにきれいなんだから、次行きましょう、次!」
幽世って合コンとかお見合いとかないのかしら?