彼女のことを本当に愛おしいと思うなら、殺しなんて指示をするわけがないもの。


「いや。俺にふさわしい嫁になりそうだと思っただけだ」
「だからなりませんって!」


なんでも嫁に結び付けるのはよして。


「彩葉。お前なにか他にもたくらんでるだろ?」
「わかります?」
「あぁ、目が輝いている」


目って……。

でも、志麻さん復活計画を考えていたら、ワクワクしてきたのは否定しない。

とびきりいい女にして絶対に裏切り男をギャフンと言わせてやる!


「白蓮さん、お願いが……」


私はそれからいくつかお願いをして、いったん自室に戻った。

眠る前にもう一度志麻さんの部屋まで行ってみると、空の器が廊下に出されていて頬が緩む。


「罰だもんね……」


食べないわけにはいかなかったのだろう。

こうして無理やりにでも食べてもらって、早く体力を取り戻してほしい。