「あはは……」


再び私からお盆を取り上げた彼女は、今度は有無を言わせず鬼童丸さんを連れ去った。


「どういうこと?」


彼女はなんの罪を犯したのだろう。
そして、複雑な理由って?


「彩葉さま、お腹すきました」


お腹を押さえて空腹をアピールする勘介くんと和花さんが戻って来たので、ふたりと合流して厨房に戻った。


「皆さん、温かくてうれしいと喜んでいました」


和花さんが笑顔で語るので、私も気分がいい。


「僕たちも早くぅ!」


グルルルルと大きなお腹の音をさせている勘介くんは、待ちきれない様子。


「白蓮さんは帰ってきたのかしら?」
「鬼童丸さまが帰ってこられたとおっしゃってましたので、今はお部屋かと」


和花さんの返答にうなずく。


「それじゃあ、勘介くん。声をかけてきて」


おかずをお盆にのせながらお願いしたのに、勘介くんは首を傾げるだけで動かない。

どうしたの?


「白蓮さまは彩葉さまをお待ちでは?」
「えっ?」