◆
翌朝、俺はひなたの家に向かった。
ひなたの気持ちをほぼ無視したような付き合いでも、普通のカップルみたいなことはしろ、と夏希に言われたからだ。
まあ、言われなくても迎えに行くつもりではあったけど。
ちょうど着くころに、ひなたが家から出てきた。
「ひなた。おはよう」
俺がいると思っていなかったのか、ひなたはかなり驚いているように見えた。
「おはよう、聖……」
だけど、近付いてよく見ると違った。
疲れた表情をしている。
やっぱり利用してって言ったのはよくなかったのかもしれない。
ひなたは相当悩んだんだろう。
「じゃあ、行こうか」
俺は微笑むと、そのまま歩き始めた。
手はつながない。
普通のカップルみたいなことも、しない。
できるだけ今まで通りにする。
そうしないと、ひなたはさらに悩んでしまうかもしれないから。
ひなたの笑顔を見るために無茶を言ったのに、俺がひなたを苦しめていたら元も子もない。
いろいろ考えていたせいで、特に会話もなく学校に着いてしまった。
そのまま教室に入り、自分の席に着く。
「なあ、矢野。海崎さんにフラれたのに一緒に来たのか?」
「フラれてないけど、なんで?」
「険悪そうに見えたから」
そいつの言葉にムカついて、俺はわざとそれ以上話しかけられないようにした。
翌朝、俺はひなたの家に向かった。
ひなたの気持ちをほぼ無視したような付き合いでも、普通のカップルみたいなことはしろ、と夏希に言われたからだ。
まあ、言われなくても迎えに行くつもりではあったけど。
ちょうど着くころに、ひなたが家から出てきた。
「ひなた。おはよう」
俺がいると思っていなかったのか、ひなたはかなり驚いているように見えた。
「おはよう、聖……」
だけど、近付いてよく見ると違った。
疲れた表情をしている。
やっぱり利用してって言ったのはよくなかったのかもしれない。
ひなたは相当悩んだんだろう。
「じゃあ、行こうか」
俺は微笑むと、そのまま歩き始めた。
手はつながない。
普通のカップルみたいなことも、しない。
できるだけ今まで通りにする。
そうしないと、ひなたはさらに悩んでしまうかもしれないから。
ひなたの笑顔を見るために無茶を言ったのに、俺がひなたを苦しめていたら元も子もない。
いろいろ考えていたせいで、特に会話もなく学校に着いてしまった。
そのまま教室に入り、自分の席に着く。
「なあ、矢野。海崎さんにフラれたのに一緒に来たのか?」
「フラれてないけど、なんで?」
「険悪そうに見えたから」
そいつの言葉にムカついて、俺はわざとそれ以上話しかけられないようにした。