そんな風に思わせてしまったことに申し訳ないと思ったけど、三人の楽しい空気に入ろうという気分になりきれていなかった。

「……ひなたちゃん、元気ないね?」
「今日はひなたを元気づける会なの」

 返事に迷っていたら、沙奈ちゃんがご飯を口に入れながら答えた。

「なるほど、そういうことね。じゃあご飯終わったらケーキでも買いに行ってこようかな」
「そんな、大丈夫です」
「遠慮しないで。ひなたちゃんは何ケーキが好き?」

 断ったのにそう返されて、私は戸惑ってしまった。
 どうすればいいかわからなくなって、助けを求めるように沙奈ちゃんを見ると、沙奈ちゃんは苦笑いしていた。

「えっと……フルーツタルト、が好きです」

 どれだけ断っても聞いてくれないんだろうと諦め答えると、お母さんは満足そうに笑った。

「任せて。夏希ちゃんは?」
「私も? 私はチョコかなあ」

 夏希は私との会話を聞いていたからか、断るということをしなかった。

「さーちゃんはいつものでいいよね」
「うん。でもお母さん、女子高生に夜にケーキってどうかと思うんだけど」

 沙奈ちゃんに言われて、お母さんは私と夏希を交互に見る。

「ダイエットするには早いと思うけどなあ。でも大丈夫。すぐ買ってくるから」