「な……そんなことないもん」
……多分。
「聖ー」
すると、ドア付近から生徒会長が聖を呼んだ。
聖は体育祭実行委員だから、呼ばれたんだと思う。
まだ一年なのに、相変わらずすごいな、聖は。
「ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
「頑張るようなことはねえよ」
そして聖は流れるように私の頭に手を置いて、髪をぐしゃぐしゃにして会長のところに行った。
「もう、聖のバカ。今日は寝ぐせなくてきれいだったのに」
私は手櫛で髪を整える。
「だから今日は下ろしてたんだ? 超暑いのに」
「え、もしかして変だった?」
「ううん、可愛いよ」
沙奈ちゃんの言葉に一安心すると、始業を知らせるチャイムが鳴り、先生が教室に入って来た。
「じゃあ、またあとでね」
そう言って沙奈ちゃんは自分の席に戻った。
生徒会長の用事はすぐに終わったみたいで、もう席に着いていた。
◆
始業式を終えると、今日からさっそく体育祭の練習をするから、体操着に着替える。
「体育祭なんて滅びればいい……」
グラウンドに移動しているとき、沙奈ちゃんがそうこぼした。
運動が苦手なのか暑いのが苦手なのか。
私はどっちでもないけど……
……多分。
「聖ー」
すると、ドア付近から生徒会長が聖を呼んだ。
聖は体育祭実行委員だから、呼ばれたんだと思う。
まだ一年なのに、相変わらずすごいな、聖は。
「ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
「頑張るようなことはねえよ」
そして聖は流れるように私の頭に手を置いて、髪をぐしゃぐしゃにして会長のところに行った。
「もう、聖のバカ。今日は寝ぐせなくてきれいだったのに」
私は手櫛で髪を整える。
「だから今日は下ろしてたんだ? 超暑いのに」
「え、もしかして変だった?」
「ううん、可愛いよ」
沙奈ちゃんの言葉に一安心すると、始業を知らせるチャイムが鳴り、先生が教室に入って来た。
「じゃあ、またあとでね」
そう言って沙奈ちゃんは自分の席に戻った。
生徒会長の用事はすぐに終わったみたいで、もう席に着いていた。
◆
始業式を終えると、今日からさっそく体育祭の練習をするから、体操着に着替える。
「体育祭なんて滅びればいい……」
グラウンドに移動しているとき、沙奈ちゃんがそうこぼした。
運動が苦手なのか暑いのが苦手なのか。
私はどっちでもないけど……