ていうか、二学期になってからときどき思うようになったんだけど。

「沙奈ちゃんってもしかして……意地悪さん?」
「誤解を招く言い方だなあ。いたずら好きって言って?」

 ……どちらも同じでは。

「あ、安心してね。ひなたちゃんには絶対にしないから。今は面白いおも……人がいるから」
「おもちゃって言おうとしたよね、今」
「そんなことないよー?」

 誤魔化す気がないのか、恐ろしく棒読みだった。

「なんか、第一印象と違う……」
「隠してたからね」

 沙奈ちゃんはスマホを操作しながら笑う。

「いきなり素を出したら友達出来ないと思って猫被ってたんだ。でも、そろそろいいかなって。てか、もう限界……みたいな?」

 沙奈ちゃんは笑顔を取り繕う。

 そういえば、沙奈ちゃんが通ってた中学校からこの高校に来たのって、二、三人だって言ってたような……
 不安だったからそうしてたんだろうな。

「私、どんな沙奈ちゃんでも受け入れるよ」

 すると、沙奈ちゃんは私に抱きついてきた。

「ひなたちゃん、天使! じゃあとりあえず、呼び捨てにしていい? ちゃん付けとかキャラじゃなくて」
「もちろん」

 初めは体育祭を嫌がっていた沙奈ちゃんだったけど、笑顔で終わることができたみたいで、私にとってもいい思い出になった。