簡潔ではあるけど、説明をしたけど、夏希は何も言ってこない。

 黙ってカップを口に運んでは、何かを考えているようだった。

「……沙奈、紙とペン持ってる?」

 しばらくして、夏希は沙奈ちゃんにそう言った。
 沙奈ちゃんはサンドウィッチが入っていた紙を丁寧に折っている。

「ないよ、そんなもの。むしろ、なんで私が持ってると思ったの」
「うん、ごめん。聞く人間違えた。ひなたは、ある?」

 私はカバンからメモ帳とボールペンを取り出す。
 だけど、夏希が何をしようとしているのか、全くわからない。

「ちょっと整理しよう。想像以上にややこしくなってきた」

 夏希はそう言うと、遠慮なくメモ帳を五枚取り出した。

 一枚目の左上に『月』と書くと、天形と再会と簡単に書いた。
 その下に、括弧でお泊まり会とメモをする。

 二枚目は『火』。
 それだけ書くと、私のほうを見てきた。

「火曜日、何かあった?」

 記憶を辿る。
 そう言えば、天形から最初にメッセージが来たのはいつだったろう。

 そう思って、スマホで確認をする。

「天形からメールが来たのと……聖に冗談ぽく告白された」

 夏希は内容に反応せず、私が言ったことをメモした。

三枚目、『水』。