この子は隠す気ないのか。
 完全に、間違いなく私で遊ぶって言った。

「へぇー?」

 私のほうを見てくる沙奈ちゃんの顔は、夏希とほぼ同じだった。

 二人がかりはずるい。

「も、目的違わない!?」

 今日は私と天形のことについて聞き出すために集まったはずなのに。
 どうして私が遊ばれているのか。

「どうせ暗くてややこしい話だし」
「その前に明るく楽しくいっとこうかと」

 わからないことはないけど、だからって私で遊ばなくても。

 そう思ったけど、やっぱり二対一だと負けて、私は二人に首をくすぐられた。

「……聖の気持ちがよくわかった……」

 沙奈ちゃんと夏希、二人揃うと意地悪が倍になる。
 嫌というよりも、ただひたすらに疲れる。

「さてと。どこ行く? ファーストフード? ラーメン? ケーキ?」

 沙奈ちゃんの提案は恐ろしく偏っていた。

「まだ集まったばっかりなのに、もうそんなガッツリ食べるの?」

 夏希は少し引いている。
 私も、そんなにお腹に入らない。

「仕方ないなあ。カフェにしてあげるよー」

 そして私たちは女子高生に人気だという喫茶店に入った。
 それぞれ注文し、飲み物を受け取ると、四人がけのテーブルに場所をとった。