「俺が事故なんて起こすか! 車の修理費が幾らすると思っているんだ」
「――それで続きは? 毛利実利が何なんですか?」
これ以上の無駄話は時間の損、とばかりに話を戻す。
「ああ、あいつを狙っている奴がいる」
「申し訳ございませんが、頭の中で完結して話をするのは止めてもらえませんか。意味不明です」
「こんなに分かり易く話しているのに分からないとは……本当にアホーだな。仕方がない。ピーマンのようなお前の脳ミソに合わせてさらに詳しく説明してやる。良く聞け」
天地さんはそう言って話し始めたが、その内容に私は口をアングリと開けてしまった。
「悪霊狩り? 何ですかそれ!」
「言葉どおりだ。悪霊を狩る奴らがいるということだ」
「言葉どおりに受け取れば、それって天地さんのことでは?」
途端にギロリと睨まれた。
「だから、何でも俺に当て嵌めるな」
心外だと言わんばかりに、天地さんは語気を強めてさらに説明を続けた。
「目的が何かは知らないが、どんな奴らがやっているかは調べが付いている」
「誰なんですか?」
「偽装零、通称〝ゼロ〟を教祖とする〝虚偽の静寂〟という教団だ」
「誰です偽装零って?」
「分からない」と天地さんは渋い顔で頭を振る。
「身元不詳、年齢不詳。それこそ幽霊みたいな奴だ。名前も本物か分からない」
「これも従兄弟だという警察関係の方からの情報ですか?」
「そうだ。良く分かったな」
珍しく天地さんに褒められた。
「――それで続きは? 毛利実利が何なんですか?」
これ以上の無駄話は時間の損、とばかりに話を戻す。
「ああ、あいつを狙っている奴がいる」
「申し訳ございませんが、頭の中で完結して話をするのは止めてもらえませんか。意味不明です」
「こんなに分かり易く話しているのに分からないとは……本当にアホーだな。仕方がない。ピーマンのようなお前の脳ミソに合わせてさらに詳しく説明してやる。良く聞け」
天地さんはそう言って話し始めたが、その内容に私は口をアングリと開けてしまった。
「悪霊狩り? 何ですかそれ!」
「言葉どおりだ。悪霊を狩る奴らがいるということだ」
「言葉どおりに受け取れば、それって天地さんのことでは?」
途端にギロリと睨まれた。
「だから、何でも俺に当て嵌めるな」
心外だと言わんばかりに、天地さんは語気を強めてさらに説明を続けた。
「目的が何かは知らないが、どんな奴らがやっているかは調べが付いている」
「誰なんですか?」
「偽装零、通称〝ゼロ〟を教祖とする〝虚偽の静寂〟という教団だ」
「誰です偽装零って?」
「分からない」と天地さんは渋い顔で頭を振る。
「身元不詳、年齢不詳。それこそ幽霊みたいな奴だ。名前も本物か分からない」
「これも従兄弟だという警察関係の方からの情報ですか?」
「そうだ。良く分かったな」
珍しく天地さんに褒められた。