「やっぱりなぁ。ここの七夕祭りは復興が目的で始まった祭りだからなぁ」と天地さんは呟くと、「縁の寺や川があるわけでもないし」と思案顔だ。
「それ、今さら言います? 分かっているなら来なければいいじゃないですか」
「いや、調査対象は全て確認してもらわなければ。来週もよろしく!」
天地さんは口笛を吹きながら、「何か食って帰ろう」と商店街の中を歩き回る。
――いったい何がしたいのだろう?
彼の思惑が全く分からない。分からないがお腹は空く。驕ってもらえるというのなら素直について行く他ないだろう。そう思って後に続いたが、やっぱり彼はケチだった。「食事代は貸しにしておく」と言ったのだ。
*
〈ミライ、大丈夫?〉
シオが心配そうにクーンと鼻を鳴らす。
「全然、大丈夫じゃない」
毎週のように天地さんから呼び出され七夕縁の地を巡っているが、彼が本当に知りたい情報は今以て得られていないようだ。
「いったい何が知りたいのよ!」
彼が言うように、大勢の人が集まる場所は大なり小なり残留思念が集まりやすい。
〈何だろうね? でも、皆が皆ミライを頼ってこないだけマシじゃない? 波長が合わないと話し掛けもしないみたいだし〉
知ったような口を利くシオをギッと睨み付けるが、シオの言うとおりだった。
「それ、今さら言います? 分かっているなら来なければいいじゃないですか」
「いや、調査対象は全て確認してもらわなければ。来週もよろしく!」
天地さんは口笛を吹きながら、「何か食って帰ろう」と商店街の中を歩き回る。
――いったい何がしたいのだろう?
彼の思惑が全く分からない。分からないがお腹は空く。驕ってもらえるというのなら素直について行く他ないだろう。そう思って後に続いたが、やっぱり彼はケチだった。「食事代は貸しにしておく」と言ったのだ。
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〈ミライ、大丈夫?〉
シオが心配そうにクーンと鼻を鳴らす。
「全然、大丈夫じゃない」
毎週のように天地さんから呼び出され七夕縁の地を巡っているが、彼が本当に知りたい情報は今以て得られていないようだ。
「いったい何が知りたいのよ!」
彼が言うように、大勢の人が集まる場所は大なり小なり残留思念が集まりやすい。
〈何だろうね? でも、皆が皆ミライを頼ってこないだけマシじゃない? 波長が合わないと話し掛けもしないみたいだし〉
知ったような口を利くシオをギッと睨み付けるが、シオの言うとおりだった。