うーんと思案するものの、結局、私は第六感に従って、本能のままに行動してしまった。
「あの……実は私、隠していることがあるんです」
以知子さんを筆頭に、安乃さん他三人の充血した目が私を見る。
「――私がここに来たのは、浅井君から頼まれたからなんです」
〈ちょっ、ちょっとミライ!〉
ずっと黙っていたシオが慌てて声を掛ける。その横で浅井青年は、何を言い出すんだ、というような眼で私を見つめている。生者五人も不思議そうにキョトンとしている。
「あんた、何を言ってるんだい? 長政は亡くなったんだよ。幽霊にでも頼まれたのかい?」
皆の反応を見ていると、業を煮やした安乃さんが口火を切った。
「幽霊ですか……」
安乃さんは案外、勘が良いのかもしれない。
「――実は私、ちょっと霊感めいたものがあり、帰国した日に夢を見たんです」
「まさか、長政が?」
以知子さんの唇がわななく。
「そのとおりです。彼が夢枕に立ったんです。で、彼が言うには、母親に見られたくない写真が隠してあるからそれを捨ててくれ……と」
あっ、と五人が顔を見合わす。それで確信した。既にあの写真は見つけられ、見られていたのだと。
「もしかしたら、その写真って……」
「私、遅かったようですね。ご存じなんですね? 彼の女装姿を」
やっぱり、というように五人が顔を見合わせる。
驚いたのは浅井青年だ。
「あの……実は私、隠していることがあるんです」
以知子さんを筆頭に、安乃さん他三人の充血した目が私を見る。
「――私がここに来たのは、浅井君から頼まれたからなんです」
〈ちょっ、ちょっとミライ!〉
ずっと黙っていたシオが慌てて声を掛ける。その横で浅井青年は、何を言い出すんだ、というような眼で私を見つめている。生者五人も不思議そうにキョトンとしている。
「あんた、何を言ってるんだい? 長政は亡くなったんだよ。幽霊にでも頼まれたのかい?」
皆の反応を見ていると、業を煮やした安乃さんが口火を切った。
「幽霊ですか……」
安乃さんは案外、勘が良いのかもしれない。
「――実は私、ちょっと霊感めいたものがあり、帰国した日に夢を見たんです」
「まさか、長政が?」
以知子さんの唇がわななく。
「そのとおりです。彼が夢枕に立ったんです。で、彼が言うには、母親に見られたくない写真が隠してあるからそれを捨ててくれ……と」
あっ、と五人が顔を見合わす。それで確信した。既にあの写真は見つけられ、見られていたのだと。
「もしかしたら、その写真って……」
「私、遅かったようですね。ご存じなんですね? 彼の女装姿を」
やっぱり、というように五人が顔を見合わせる。
驚いたのは浅井青年だ。