校門を出たところで、わたしはふと顔をあげた。

派手な格好の集団が、道いっぱいに広がって騒いでいる。耳障りな笑い声、心臓に悪いバイクのエンジン音。

その横を自転車に乗った人がわざわざ降りて申し訳なさそうに通っていくのもお構いなしで、そこがまるでじぶんたちの物かのような顔して、態度ばっかり大きくて、

ーーバカみたい。

と、思ったそのとき、

「おいおまえ、なにコッチ見てんだよ?」

そのなかでもいちばん人相の悪い男が、凶悪な目つきで睨みつけながら威嚇してくる。おまえというのは、周りを確認するまでもなくわたしのことだろう。

ちょっと目を向けただけのつもりだったのに、つい足まで止またしまっていた。

わたしは短く息を吸って、言った。

「別に。迷惑だと思って見てただけです」

「あぁ?迷惑だと?何様だおまえ?」

「悪いけど、あなたたちに付き合ってるほど暇じゃないので。それじゃ」

「おい待てガリ勉……って足速ッ!?」


言うだけ言って、全力で逃げ去った。

逃げ足だけは早くて助かった。


「はあ……つ、つかれた……」

完全に言い逃げだけど、絡んできたのはあっちだし、まともに張り合えばあんな野獣みたいなのに勝てるわけがない。

逃げるが勝ちだ。