と、そのとき急に、
「愛音」
抱き締められて、息が止まった。
「愛音、好きだ」
「……!」
「たぶん、最初に会ったときから。でも、いまのほうが何倍も、愛音のこと大好きだ」
きみこ声が、耳元で甘く響く。
こんなに寒いのに、ちっとも感じさせないくらい胸が熱くて。また、涙が溢れた。
「広瀬くん」
わたしが言って、
「うん」
ときみが応える。
きみの心臓の音が、わたしの音と溶け合うように、一緒になる。
「わたし、も」
きみがわたしとおなじ気持ちでいてくれることが、こんなにも、溢れるくらい嬉しくて。
「わたしも、大好き」
わたしは言った。
きみが目を覚ましたら、いちばんに伝えたかったこと。
やっと……言えたよ。