そしてやっと、たどり着いた。
森みたいに広い公園。初めてここに来たときは頭上を覆っていた背の高い木々の葉もいまはなく、茶色の枯葉だけが寒々しく揺れている。
あのとき、わたしは、じぶんのことでいっぱいいっぱいだった。苦しくて、助けてほしくて、きみに縋った。
でも、きみも、おなじだったんだ。
ひとりじゃ抱えきれないくらい大きな問題に苦しんで、でも誰にも弱音を吐けなくて、この場所に助けを求めた。
『嫌なことがあったときは、ここに来るんだ』
人に迷惑をかけたくないと言ったきみが、弱音を吐けた場所。
それなのにじぶんのことはそっちのけで、いつもひとの心配ばっかりして、
『約束して。苦しいときはおれを頼って。愛音はひとりじゃないから。愛音が呼んでくれたら、いつでも飛んでいくから』
きみがくれたまっすぐな言葉に、わたしは救われた。
ひとりじゃないと思えた。
だからーー、
今度はその言葉、わたしが返すよ。