「だって、前は勉強したから怒ったんでしょ!だからこうして隠れてたのに、『隠れて勉強することはない』って……言ってること、矛盾してるじゃない!」
本棚に魔法書を戻し終えたアレスは、私の抗議の言葉に苛立ったのか、ゆっくりと振り返ると、目を細めて腕を組んだ。
「それはお前の体調が悪かったからだ! だから体の負担にならないよう、治癒に専念してほしくて勉強はダメだと言っていたんだ。それなのに、お前は……!」
その日から小一時間、私はアレスの長々とした説教を食らうことになった。
やはり怒ったアレスはとにかく怖く、一切の反論を許してくれない。ただただ怖い形相で説教を浴びせ続けられ、それが終わる頃には、私の魂は抜けかけていた。
「……ところで、アレスは何しに来たの?」
小一時間も正座させられたせいで、足がガクガクと震えている。なんとかベッドに腰を下ろした私は、震える声でアレスに尋ねた。
アレスもベッドの近くにあった椅子に座り、私に紫色の瞳を向ける。
「お前に聞きたいことがあったんだ」
「聞きたいこと?」
私は小さく首を傾げた。
私に聞きたいこと? 最近、何かアレスが気になるようなことでもあっただろうか? そう考え込んでいると、アレスが言葉を続けた。
「今朝、お前、『夢を見た』って言ってたよな?」
「う、うん」
まさか、アレスが聞きたいことって、今朝の夢のこと?
「その夢のおかげで体が軽くなったと、テトから少し聞いた。だから、どんな夢だったのか少し気になってさ」
「なるほど……」
私は薄緑色の瞳を伏せ、今朝見た夢について考えを巡らせる。
そして、一つひとつ、思い出したことを言葉にしていった。
本棚に魔法書を戻し終えたアレスは、私の抗議の言葉に苛立ったのか、ゆっくりと振り返ると、目を細めて腕を組んだ。
「それはお前の体調が悪かったからだ! だから体の負担にならないよう、治癒に専念してほしくて勉強はダメだと言っていたんだ。それなのに、お前は……!」
その日から小一時間、私はアレスの長々とした説教を食らうことになった。
やはり怒ったアレスはとにかく怖く、一切の反論を許してくれない。ただただ怖い形相で説教を浴びせ続けられ、それが終わる頃には、私の魂は抜けかけていた。
「……ところで、アレスは何しに来たの?」
小一時間も正座させられたせいで、足がガクガクと震えている。なんとかベッドに腰を下ろした私は、震える声でアレスに尋ねた。
アレスもベッドの近くにあった椅子に座り、私に紫色の瞳を向ける。
「お前に聞きたいことがあったんだ」
「聞きたいこと?」
私は小さく首を傾げた。
私に聞きたいこと? 最近、何かアレスが気になるようなことでもあっただろうか? そう考え込んでいると、アレスが言葉を続けた。
「今朝、お前、『夢を見た』って言ってたよな?」
「う、うん」
まさか、アレスが聞きたいことって、今朝の夢のこと?
「その夢のおかげで体が軽くなったと、テトから少し聞いた。だから、どんな夢だったのか少し気になってさ」
「なるほど……」
私は薄緑色の瞳を伏せ、今朝見た夢について考えを巡らせる。
そして、一つひとつ、思い出したことを言葉にしていった。


