☆ ☆ ☆
「行ったか……」
アレスたちの遠ざかっていく背中を、俺は静かに見守りながら目を細めた。 新調した紺と赤紫を基調とした戦闘服が、島を吹き抜ける風にパタパタと音を立てる。引き締まった両手には、手首が覗く黒いグローブが嵌められており、その指先はいつでも獲物を狩る準備ができていた。
『ブラッド、次の目的地はどこだ?』
頭の中に、アルの声が響く。
「……」
俺は数秒ほど沈黙し、空を流れていく雲を追った。
「……とりあえずは、ぶらりと宛もなく行くさ。その道中で時空の割れ目を見つけたら、片っ端から壊せばいい」
俺はフードを深く被り、光を失った左目をゆっくりと見開いた。それとは対照的に、紅く染まった右目が、昏い意志を宿して不気味に発光する。
俺たちの次の目的は、時空の割れ目を塞ぐこと、そしてなぜこの現象が頻発しているのか、その大本を突き止めることだ。 元凶を絶たなければ、あいつらは何度だってこの世界を侵入し汚していく。
道中で「七つの悪魔」の誰かと衝突することになるだろう。だが、それは避けては通れない道だ。 特に、あの強欲の悪魔だけは――
「ふっ……」
俺の口角が自然と吊り上がる。
首を洗って待っていろ、強欲の悪魔。お前だけは、この俺の手で地獄へ送ってやる。
「待っていろよ、オフィーリア。お前の望む平和な世界を、俺が必ず……」
誰にも聞こえないほど小さな声で愛しい名を呟くと、俺はアレスたちとは逆の方向へ、音もなく歩き出した。
ヴァルト・マギーア ソフィアと竜の島 end
「行ったか……」
アレスたちの遠ざかっていく背中を、俺は静かに見守りながら目を細めた。 新調した紺と赤紫を基調とした戦闘服が、島を吹き抜ける風にパタパタと音を立てる。引き締まった両手には、手首が覗く黒いグローブが嵌められており、その指先はいつでも獲物を狩る準備ができていた。
『ブラッド、次の目的地はどこだ?』
頭の中に、アルの声が響く。
「……」
俺は数秒ほど沈黙し、空を流れていく雲を追った。
「……とりあえずは、ぶらりと宛もなく行くさ。その道中で時空の割れ目を見つけたら、片っ端から壊せばいい」
俺はフードを深く被り、光を失った左目をゆっくりと見開いた。それとは対照的に、紅く染まった右目が、昏い意志を宿して不気味に発光する。
俺たちの次の目的は、時空の割れ目を塞ぐこと、そしてなぜこの現象が頻発しているのか、その大本を突き止めることだ。 元凶を絶たなければ、あいつらは何度だってこの世界を侵入し汚していく。
道中で「七つの悪魔」の誰かと衝突することになるだろう。だが、それは避けては通れない道だ。 特に、あの強欲の悪魔だけは――
「ふっ……」
俺の口角が自然と吊り上がる。
首を洗って待っていろ、強欲の悪魔。お前だけは、この俺の手で地獄へ送ってやる。
「待っていろよ、オフィーリア。お前の望む平和な世界を、俺が必ず……」
誰にも聞こえないほど小さな声で愛しい名を呟くと、俺はアレスたちとは逆の方向へ、音もなく歩き出した。
ヴァルト・マギーア ソフィアと竜の島 end


