「な〜に、ちょっと外の空気を吸いにな」
ブラッドさんはそう言って、わずかな苦笑いを浮かべたまま部屋の扉を開け、静かに姿を消した。その背中には深い後悔と孤独の影が張り付いているように見えた。
残された俺たちは、ブラッさんドの突然の退室に言葉を失いただ扉を見つめることしかできなかった。
アルさんはブラッドさんの消えた扉をしばし見つめていたが、やがて深く諦念にも似た溜め息を一つ吐き出した。彼はすぐに気持ちを切り替え、今にも泣き出しそうな様子のレーツェルを優しくエクレールへと預ける。
「ブラッドの言う通り、俺たちはエアとの約束を果たすために、一刻も早く集まる必要があるんだ。だが、ブラッドのおかげで、こうして守護者と魔剣は揃いつつある。だから、今後についてこれから話していこうと思う」
アルさんの声は、ブラッドさんとは対照的に確固たる決意に満ちていた。
「今後?」
テトは緊張した面持ちで問い返す。
「俺とレーツェル、そしてブラッドは魔剣の行方を追うためにあちこち旅をして回っていた。その中で俺たちは、今回黒い粒子がこちらに流れてきたのと同じ、時空の割れ目をすでにいくつか見つけている」
「なっ?!」
俺は思わず、椅子の背もたれから身を乗り出した。まさか既に時空の割れ目がこの世界に存在しているのか!? もしこのまま野放しにしていたら、いつまた黒い粒子が流れ出し、取り返しのつかない事態になるかもしれない。
「だから俺たちは今後、その時空の割れ目を閉じるために回ろうと思っている。本当は、お前たちにもそれぞれに分担して行ってもらいたいところだが……」
アルさんは俺とカレンを、真剣な眼差しで見つめた。
「アレス。お前は魔剣を手にして日が浅すぎる。だから時空の割れ目の件は、俺たちとブラッドに任せてくれ。お前たちは一日でも早く、魔剣の力を完璧に使いこなせるようになるんだ」
「……っ」
俺は唇を噛み締めた。
確かに、俺が魔剣を持ってまだ日が浅いのは事実だ。
ブラッドさんやカレンに比べたら、力の差なんて歴然としている。あの時、黒い粒子を浄化するためにエクレールさんの魔力を体にまとっても、体力の消耗が激しく、一分も保たなかっただろう。
その時、アルさんは俺から視線を外してカレンに向き直った。
「カレン。お前はブラッドから言われたことはちゃんと守れよ」
その声は、計画を話すときとは打って変わって、有無を言わせぬ重みを帯びていた。
「っ!」
アルさんの言葉とそのあまりに真剣な声色に、カレンの肩がびくりと大きく上がった。彼女は俯き、返事をしなかった。
ブラッドさんはそう言って、わずかな苦笑いを浮かべたまま部屋の扉を開け、静かに姿を消した。その背中には深い後悔と孤独の影が張り付いているように見えた。
残された俺たちは、ブラッさんドの突然の退室に言葉を失いただ扉を見つめることしかできなかった。
アルさんはブラッドさんの消えた扉をしばし見つめていたが、やがて深く諦念にも似た溜め息を一つ吐き出した。彼はすぐに気持ちを切り替え、今にも泣き出しそうな様子のレーツェルを優しくエクレールへと預ける。
「ブラッドの言う通り、俺たちはエアとの約束を果たすために、一刻も早く集まる必要があるんだ。だが、ブラッドのおかげで、こうして守護者と魔剣は揃いつつある。だから、今後についてこれから話していこうと思う」
アルさんの声は、ブラッドさんとは対照的に確固たる決意に満ちていた。
「今後?」
テトは緊張した面持ちで問い返す。
「俺とレーツェル、そしてブラッドは魔剣の行方を追うためにあちこち旅をして回っていた。その中で俺たちは、今回黒い粒子がこちらに流れてきたのと同じ、時空の割れ目をすでにいくつか見つけている」
「なっ?!」
俺は思わず、椅子の背もたれから身を乗り出した。まさか既に時空の割れ目がこの世界に存在しているのか!? もしこのまま野放しにしていたら、いつまた黒い粒子が流れ出し、取り返しのつかない事態になるかもしれない。
「だから俺たちは今後、その時空の割れ目を閉じるために回ろうと思っている。本当は、お前たちにもそれぞれに分担して行ってもらいたいところだが……」
アルさんは俺とカレンを、真剣な眼差しで見つめた。
「アレス。お前は魔剣を手にして日が浅すぎる。だから時空の割れ目の件は、俺たちとブラッドに任せてくれ。お前たちは一日でも早く、魔剣の力を完璧に使いこなせるようになるんだ」
「……っ」
俺は唇を噛み締めた。
確かに、俺が魔剣を持ってまだ日が浅いのは事実だ。
ブラッドさんやカレンに比べたら、力の差なんて歴然としている。あの時、黒い粒子を浄化するためにエクレールさんの魔力を体にまとっても、体力の消耗が激しく、一分も保たなかっただろう。
その時、アルさんは俺から視線を外してカレンに向き直った。
「カレン。お前はブラッドから言われたことはちゃんと守れよ」
その声は、計画を話すときとは打って変わって、有無を言わせぬ重みを帯びていた。
「っ!」
アルさんの言葉とそのあまりに真剣な声色に、カレンの肩がびくりと大きく上がった。彼女は俯き、返事をしなかった。


