トトとエアが支払った重すぎる対価に、俺たちが俯いて言葉を失っていると、ブラッドさんはそんな俺たちの姿に苦笑した。
「別に何も知らなかったお前たちを、責めて言っているんじゃないんだぞ? 俺だってこんな事に関わっていなかったら、知らなくて当然の事だったんだしな」
その言葉は、俺たちにかかっていた重圧を少しだけ和らげてくれた。
「ブラッドさん……」
ブラッドさんは一度息を吸い込むと、真剣な眼差しで言った。
「……ある、一人の女性の話をしようか」
「えっ……」
俺たちは一斉に伏せていた顔を上げ、物語の続きを求めるようにブラッドさんへと視線を動かした。
「普通、魔剣には主が一人居て当然だ。サファイアにならカレン、エクレールにはアレス、アルだったら俺というふうに。だが、レーツェルには今主が居ないんだ」
「あっ……」
言われてみれば、確かにそうだ。
あの時、ブラッドさんはアルさんとレーツェルさん、二つの魔剣の力を使って戦っていた。だが、ブラッドさんは魔剣アムールの主であって、魔剣レーツェルの主ではないはずだ。
それなのに、なぜブラッドさんはレーツェルさんの力を扱えている? そして、ブラッドさんが言う「ある一人の女性」とは一体誰なんだ?
ブラッドさんは、そっと語り出した。
「彼女は誰よりも早くレーツェルと共に、守護者と魔剣集めの旅に出たんだ。しかしその旅は、彼女にとってとても過酷なものだった」
「過酷なもの?」
「彼女――オフィーリアは、知恵の女神エアの血を引く、エアの末裔と呼ばれる一族の最後の生き残りだった」
「え、エアの末裔って!」
俺は思わず声を上げた。
確かエアの末裔とは、数百年前に姿を消したとされる、エアの血筋を引く伝説的な一族だったはずだ。魔法の知識を広めたのも彼らだと魔法書で読んだことがあるが、あまりにも昔の話で、本当に存在したのかさえ怪しまれていた。
だが今、ブラッドさんは確かにエアの末裔と言った。
そして、オフィーリアさんというその女性は、なぜ最後の一人となってしまったのだろうか?
「彼女たち、エアの末裔たちは代々、星の涙と呼ばれる膨大な魔力を秘めた雫を守ってきていた。彼女たちが表舞台から姿を隠したのは、その星の涙の魔力を、悪意ある者たちに利用されないためだったんだ」
「別に何も知らなかったお前たちを、責めて言っているんじゃないんだぞ? 俺だってこんな事に関わっていなかったら、知らなくて当然の事だったんだしな」
その言葉は、俺たちにかかっていた重圧を少しだけ和らげてくれた。
「ブラッドさん……」
ブラッドさんは一度息を吸い込むと、真剣な眼差しで言った。
「……ある、一人の女性の話をしようか」
「えっ……」
俺たちは一斉に伏せていた顔を上げ、物語の続きを求めるようにブラッドさんへと視線を動かした。
「普通、魔剣には主が一人居て当然だ。サファイアにならカレン、エクレールにはアレス、アルだったら俺というふうに。だが、レーツェルには今主が居ないんだ」
「あっ……」
言われてみれば、確かにそうだ。
あの時、ブラッドさんはアルさんとレーツェルさん、二つの魔剣の力を使って戦っていた。だが、ブラッドさんは魔剣アムールの主であって、魔剣レーツェルの主ではないはずだ。
それなのに、なぜブラッドさんはレーツェルさんの力を扱えている? そして、ブラッドさんが言う「ある一人の女性」とは一体誰なんだ?
ブラッドさんは、そっと語り出した。
「彼女は誰よりも早くレーツェルと共に、守護者と魔剣集めの旅に出たんだ。しかしその旅は、彼女にとってとても過酷なものだった」
「過酷なもの?」
「彼女――オフィーリアは、知恵の女神エアの血を引く、エアの末裔と呼ばれる一族の最後の生き残りだった」
「え、エアの末裔って!」
俺は思わず声を上げた。
確かエアの末裔とは、数百年前に姿を消したとされる、エアの血筋を引く伝説的な一族だったはずだ。魔法の知識を広めたのも彼らだと魔法書で読んだことがあるが、あまりにも昔の話で、本当に存在したのかさえ怪しまれていた。
だが今、ブラッドさんは確かにエアの末裔と言った。
そして、オフィーリアさんというその女性は、なぜ最後の一人となってしまったのだろうか?
「彼女たち、エアの末裔たちは代々、星の涙と呼ばれる膨大な魔力を秘めた雫を守ってきていた。彼女たちが表舞台から姿を隠したのは、その星の涙の魔力を、悪意ある者たちに利用されないためだったんだ」


