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翌日――

俺たちはブラッドさんに呼ばれ、ザハラが用意した簡素な一室に集まることになった。

「私たちに話ってなんだろう？」

ソフィアは純粋な疑問を口にする。

「さあね？　でもとても興味を引く話だとは思うけど」

テトは努めて軽く答える。その話の全容を知っているのは、俺とロキ、そしてムニンだけだ。

カレンもまた、何かを薄々察しているようには見えた。だが、彼女は昨日の夜からずっと様子がおかしい。

宴の席に戻ってからも、ずっと黙ったままで、出された食べ物をひたすら無言で口に運んでいた。そして今も、どこか気まずそうに視線を下に投げている。

そんなカレンを横目で見ながら、俺たちは目的の扉の前に立った。

扉を奥へ押し開くと、中には既にブラッドさんたち三人が静かに揃っていた。

ブラッドさんは部屋の真ん中に立ち、腕を組んで俺たちが来るのを待っていたようだ。その瞳には、いつもの飄々とした色とは違う、鋭い光が宿っている。

彼の隣には、アムールとレーツェルさんも立っていた。二人の表情は固く言葉少なだ。

「ようやく来たか」 　

ブラッドさんはそう言って、組んでいた腕をゆっくりと解いた。

「それじゃあ、今からお前たちに話すよ」 　

その重々しい言葉に、俺は無意識に息を飲んだ。

そして、この時の俺たちは知る由もなかった。

あの大事件が起きるまで、ブラッドさんが俺たちを集めた本当の理由と、その裏側に隠された、彼自身の底知れぬ野望のことを――