「くそ……ロキ! お前だけでも逃げるんだ!」
俺は迫りくる粒子を前に叫んだ。
「はあ?! そんなことできるわけないだろ! 馬鹿なこと言ってんじゃねぇぞ!」
ロキのその言葉にカチンと来た俺は、さらに言葉を続けた。
「お前だけでも助かってほしくてそう言っているんだぞ!」
「友達を置いて逃げるなんて、最低なやつがやることだ! 俺はそんな真似だけは絶対にしたくない! たとえ何度同じことを言われてもな!」
「……ロキ」
本当にこいつは……。俺は、自分だけが助かればいいと考えるような人間にはなりたくない。そして、ロキも同じ気持ちだということが、彼の言葉から痛いほど伝わってきた。
「お取り込み中のところすみませんが、僕も忙しいのでそろそろ良いですか?」
その時、神の守り全体にヒビが広がると、粉々になって砕け散った。そしてそのまま、黒い粒子たちは俺たちに向かって襲いかかってくる。
「しまった!」
俺たちはそのまま、黒い粒子の中へと呑み込まれた。冷たい感触が体を包み込み、視界は真っ暗になる。
その様子を見届けたヨルンは、にやりと笑みを浮かべる。
「さてさて、これで邪魔者は居なくなったし、ソフィアさんのところに向かいますか」
そう言ってヨルンがその場から移動しようとした時だった。
「七つの星の力よ、七つの力を我が魔剣アムールに集め、目の前の敵を斬り捨てろ!」
「っ!」
聞こえるはずのない詠唱が暗闇の中で聞こえた時、眩しい光が俺たちの体を包み込んだ。それは、まるで太陽が爆発したかのような光だった。
「なっ!」
瞑っていた瞳を開けると、俺たちの目の前に一人の青年が立っていた。
彼の服装は、紺と赤紫を基調とした、体にフィットする戦闘向けの装束をまとっていた。
両手には手首が見える丈のグローブを嵌めており、無駄のない動きを予感させる。その服装は、金髪と容姿と相まって、彼の存在感を一層際立たせていた。
その光景に目を見張った時、俺たちを取り囲んでいた黒い粒子たちが、まるで恐怖に怯えるかのように、慌ててヨルンの元へ戻っていくことに気がついた。
「な、なんだ?」
ロキも気がついたのか、急な出来事に目を丸くしていた。
「いや~間に合って良かった良かった」
そう言って彼は俺たちの方へと振り返って左目を細めた。
よく見ると彼は、顔立ちが非常に整っている美青年で、右目には包帯が巻かれていた。そんな彼の胸元には、翡翠色に輝く宝石が光り輝いている。
「馬鹿な……黒い粒子を斬っただと?!」
ヨルンは悔しそうな表情を浮かべると、再び黒い粒子たちに命令を下す。
「お前たち! あいつを殺せ!」
その命令に応じた黒い粒子たちは、彼に向かって一斉に飛んでいく。
「あ、危ない!」
しかし彼は、目の前に飛んでくる黒い粒子を見てただ笑っていた。
そして右手の中にある剣を構えると、そのまま黒い粒子に突っ込んでいき、次々と斬り捨てていく。彼の剣が通った場所は、黒い粒子が砂と化して消えていく。
俺は迫りくる粒子を前に叫んだ。
「はあ?! そんなことできるわけないだろ! 馬鹿なこと言ってんじゃねぇぞ!」
ロキのその言葉にカチンと来た俺は、さらに言葉を続けた。
「お前だけでも助かってほしくてそう言っているんだぞ!」
「友達を置いて逃げるなんて、最低なやつがやることだ! 俺はそんな真似だけは絶対にしたくない! たとえ何度同じことを言われてもな!」
「……ロキ」
本当にこいつは……。俺は、自分だけが助かればいいと考えるような人間にはなりたくない。そして、ロキも同じ気持ちだということが、彼の言葉から痛いほど伝わってきた。
「お取り込み中のところすみませんが、僕も忙しいのでそろそろ良いですか?」
その時、神の守り全体にヒビが広がると、粉々になって砕け散った。そしてそのまま、黒い粒子たちは俺たちに向かって襲いかかってくる。
「しまった!」
俺たちはそのまま、黒い粒子の中へと呑み込まれた。冷たい感触が体を包み込み、視界は真っ暗になる。
その様子を見届けたヨルンは、にやりと笑みを浮かべる。
「さてさて、これで邪魔者は居なくなったし、ソフィアさんのところに向かいますか」
そう言ってヨルンがその場から移動しようとした時だった。
「七つの星の力よ、七つの力を我が魔剣アムールに集め、目の前の敵を斬り捨てろ!」
「っ!」
聞こえるはずのない詠唱が暗闇の中で聞こえた時、眩しい光が俺たちの体を包み込んだ。それは、まるで太陽が爆発したかのような光だった。
「なっ!」
瞑っていた瞳を開けると、俺たちの目の前に一人の青年が立っていた。
彼の服装は、紺と赤紫を基調とした、体にフィットする戦闘向けの装束をまとっていた。
両手には手首が見える丈のグローブを嵌めており、無駄のない動きを予感させる。その服装は、金髪と容姿と相まって、彼の存在感を一層際立たせていた。
その光景に目を見張った時、俺たちを取り囲んでいた黒い粒子たちが、まるで恐怖に怯えるかのように、慌ててヨルンの元へ戻っていくことに気がついた。
「な、なんだ?」
ロキも気がついたのか、急な出来事に目を丸くしていた。
「いや~間に合って良かった良かった」
そう言って彼は俺たちの方へと振り返って左目を細めた。
よく見ると彼は、顔立ちが非常に整っている美青年で、右目には包帯が巻かれていた。そんな彼の胸元には、翡翠色に輝く宝石が光り輝いている。
「馬鹿な……黒い粒子を斬っただと?!」
ヨルンは悔しそうな表情を浮かべると、再び黒い粒子たちに命令を下す。
「お前たち! あいつを殺せ!」
その命令に応じた黒い粒子たちは、彼に向かって一斉に飛んでいく。
「あ、危ない!」
しかし彼は、目の前に飛んでくる黒い粒子を見てただ笑っていた。
そして右手の中にある剣を構えると、そのまま黒い粒子に突っ込んでいき、次々と斬り捨てていく。彼の剣が通った場所は、黒い粒子が砂と化して消えていく。


