時花が通販の対応をすれば、店長も他のことに手が回せる。彼女の恋心を勤労意欲に転換することで、ドジを発現させずに研修できる。
(メールも書き続ければ、だんだん慣れて来ますねっ。最後に一言添えるのが大変ですけど、ここで手を抜くと、お店の評判に関わりま――)
ぴろりん。
(――す?)
パソコンから電子音が高鳴った。
メール・ボックスの受信欄に『1』という数字が表示されたのを視認する。
(受信メールが一件……どちら様でしょう?)
時花は何気なくクリックした。
通販の新しい注文が入ったのかも知れない。時花は素早くメールを開封した。
『RE:定期メンテナンスのお知らせ
本文:そんなサービスがあるんですね! 俺、時ほぐしのそういう所、好きですよ!』
返信だった。
ついさっき送信した案内メールのリプライが、さっそく戻って来たのだ。