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「あづぃ……」
　
意識が戻りかける中で最初に感じたのは酷い暑さだった。

暑さのせいで体から汗が滲み出て、額から流れた汗は私の頬を伝った。

「ん……」
　
暑さのせいで目を覚ました私の目に部屋の天井が目に飛び込んできた。

見覚えのある天井に、今にも消えそうな弱々しい光を放っている電球。そして倒れた私を見下ろしてくる黒電話と白い机。

「ああ……私」
　
帰って来たのだと思い倒れていた私は体を起き上がらせる。

「そういえば後ろに倒れていたんだっけ？」
　
幸い頭は強打していないのか痛みは感じない。

記憶の欠落も見られない為、私が過去に行って来た出来事は本当だったみたいだ。うん、しっかりと覚えているしね。
　
そう思いながら前を向いた時、よく見ると白い机に鍵穴が見えるのが分かった。

「……鍵穴？」
　
こんなところに鍵穴なんてあっただろうか？　そう思いながら顔を近づけてまじまじと見つめる。

「……この穴」
　
もしかしてこの部屋の扉を開ける鍵を使うのだろうか？　手の中に鍵を握っている事に気がついた私は、恐る恐る鍵を差し込んで右に回してみた。
　
カチャッと鍵が開く音が聞こえ、引き出しの取っ手を掴んだ私は引き出しを自分の方へと引く。

すると中に入っていた物は、【アルバム】と書かれた本だった。