じぃじは小さな声でそう言う。

「結さんとの約束というのが、大きくなったアヤちゃんを一目みたいという事なんじゃよ」

「大きくなった私を?」

「それで儂は友人の力を借りて、未来のアヤちゃんをこの時代に呼んだ。結さんがアヤちゃんの為に残しておった服を着てもらって、儂は結さんにお前さんを会わせた」

「それだったら、私が未来のアヤちゃんだって事を言わなくて良いの? 言わなくちゃお母さんの願いは叶わないんじゃ……」

「いや、もう叶っておるよ」
 
そう言ったじぃじはニカッと笑った。
 
じぃじの言葉に首に私は首を傾げる。もう叶っているって……そんなこと――

「お前さんのおかげで結さんには生きる為の希望が見えたのじゃ」

「生きる為の……希望?」

「これから大きく成長して行くアヤちゃんの姿を結さんは隣で見ていける。だからもう願いは叶っておるよ」
 
じぃじは優しく微笑むと私の髪を撫でてくれた。
 
そのせいで涙が溢れて大粒の涙が頬を伝って行く。

もし少しでもお母さんが【生きたい】と思ってくれたのなら、私が起こした行動に間違いはなかったのかもしれない。

「未来ではきっと――」
 
じぃじが最後になんて言ったのかは分からない。でもじぃじが何を言いたいのかはなんとなく分かるのだ。
 
そう、未来ではきっと――