「彩芽。この鍵を渡すから先に奥の部屋で荷物をまとめていてくれ」
「うん、分かった」
ちょうど段ボールに荷物を詰み終えたところでお父さんに鍵を渡される。
鍵を受け取った私は奥の部屋へと歩いて行った。
「えっと、確かこの鍵は――」
お父さんに渡された鍵は二つ。一つは奥の部屋を開ける鍵だ。でも、もう一つ一緒になっているこの白い鍵はなんだろう?
「この鍵なんだっけ?」
しかしこの鍵には見覚えがある。
どういう鍵かまでは覚えていないけど、私がまだ小さかった時にじぃじが一度だけ見せてくれたのだ。
小さい頃の記憶を辿り思い出そうとするが、中々その場面が出て来ない。直ぐに出て来ないという事はきっと大した鍵じゃないのだろう。
私は特に気にする事なく目の前に見える鍵穴に鍵を差し込んだ。
鍵が開く音が聞こえ古びた木造の扉を横へと引く。
前を向くとそこには、小さい頃じぃじと一緒に過ごした懐かしい部屋が広がっていた。
床には昔馴染みの畳が広がっていて、じぃじ好みのちょっと古いアンティーク
家具が置かれている。
一年も使われてなかったせいか、家具はほこりを被っていた。
「さてと、まずは何から――」
部屋の中を見渡した時、部屋の奥にもう一つ扉がある事に気が付いた。
「うん、分かった」
ちょうど段ボールに荷物を詰み終えたところでお父さんに鍵を渡される。
鍵を受け取った私は奥の部屋へと歩いて行った。
「えっと、確かこの鍵は――」
お父さんに渡された鍵は二つ。一つは奥の部屋を開ける鍵だ。でも、もう一つ一緒になっているこの白い鍵はなんだろう?
「この鍵なんだっけ?」
しかしこの鍵には見覚えがある。
どういう鍵かまでは覚えていないけど、私がまだ小さかった時にじぃじが一度だけ見せてくれたのだ。
小さい頃の記憶を辿り思い出そうとするが、中々その場面が出て来ない。直ぐに出て来ないという事はきっと大した鍵じゃないのだろう。
私は特に気にする事なく目の前に見える鍵穴に鍵を差し込んだ。
鍵が開く音が聞こえ古びた木造の扉を横へと引く。
前を向くとそこには、小さい頃じぃじと一緒に過ごした懐かしい部屋が広がっていた。
床には昔馴染みの畳が広がっていて、じぃじ好みのちょっと古いアンティーク
家具が置かれている。
一年も使われてなかったせいか、家具はほこりを被っていた。
「さてと、まずは何から――」
部屋の中を見渡した時、部屋の奥にもう一つ扉がある事に気が付いた。