「おや! もうこんな時間か!」

「ちょうど昼時ですけど、どうしますか?」

「そうじゃのう……はっちゃんが居れば何か作ってもらうところじゃったんじゃが、何が良いかのう」
 
そこで私とじぃじはお昼ご飯をどうするのか考え始める。アヤちゃんも居る事だし、ここはアヤちゃんも食べられる物にした方が良いかもしれない。

「う〜ん……じぃじ?」
 
私たちの声を聞いて起きてしまったのか、アヤちゃんは眠そうに目をこすりながら体を起き上がらせる。

「なんじゃアヤちゃん、寝ておったのか?」

「う〜ん」
 
じぃじはアヤちゃんを抱っこすると聞く。

「アヤちゃん何か食べたい物あるかい?」

「……たべたいもの?」
 
じぃじの言葉に小首を傾げたアヤちゃんは、少し考えてから応えを出した。

「ハンバーグがたべたい!」

✩ ✩ ✩

アヤちゃんのご要望を聞いたじぃじは、お店の近くにあるサ○ゼリヤまで車を出してくれた。さすが孫の為ってだけあって行動は早かった。

「さあ着いたぞ! 好きなハンバーグを選びなさい!」

「は〜い!」
 
そして私もここへ連れて来られた。外食に行くとなった時、最初は遠慮したのだ。でもアヤちゃんが――

「おねえちゃんも、いっしょじゃないとやだ!」
 
とダダをこね始めたので渋々着いてきた。そして何故か。

「おねえゃん、どれにする〜?」

「う、う〜ん、そうだな……」
 
何故か……さっきよりもアヤちゃんに懐かれてしまった。ただ普通に遊んだだけなのに、ここまで懐かれる要素があっただろうか?

「なんじゃ、少し見ない間に随分と仲良くなったのう」

「は、はい」
 
嬉しいような、嬉しくないような、ちょっと複雑な気持ちになる。でも仲が悪いよりかは、仲が良い方が良いのかもしれない。