「その様子じゃ聞かれたくない事なんじゃろ?」
 
じぃじは私の様子を察してかそう言う。確かに聞かれない方が楽だけど、この動揺の行き場
はないのだ。

「じゃあ仕方ない、しばらくの間は泊めてやろう」
 
ってじぃじの方から言ってくれたら、頼みやすいんだけど……ん? 

「今……なんて言いましたか?」

「しばらくの間、泊めてやるって言ったんじゃよ。どういう事情があるか知らんが、言いたくないなら無理して言わんくて良いからのう」

「じぃ……おじいちゃん」
 
じぃじの優しさに思わず涙が出そうなった。

こんな得体の知れない、見ず知らずの私を泊めてくれるなんて……なんて懐が広い人なのだろう。

普通の人なら怪しんでいるところだ。でもじぃじは私を怪しむどころか優しく迎え入れてくれた。それが凄く嬉しくてやっぱりじぃじはちょっと変わった人だと再認識させられた。

「部屋は……はっちゃんの部屋を使ってくれて構わんよ。しばらく帰って来ないからのう。服は後で持って来させるから」

「あ、ありがとうございます」
 
私は深々と頭を下げる。じぃじのおかげで衣食住を確保することは出来た。あとは黒電話の有りかを探すだけだ。

「それじゃあ仕事の続きをするかね」
 
緑茶を飲み終えたじぃじは立ち上がる。その姿を見た私も釣られて立ち上がり言う。

「私の方も掃除が終わったので、そっちの手伝いしますね」

「おっ、それは助かるよ」
 
じぃじは嬉しそうに歯を見せて笑った。そんなじぃじの笑顔を見た私も自然と笑顔が溢れた。