どうして亡くなったはずのじぃじが目の前に居るのだろう?! 

私が知っているじぃじより少し若く見えるのは気のせいなのだろうか?! 

頭を抱えながら押し寄せてくる疑問の数々に埋もれそうになり、一回考える事をやめる。

「お前さん……見かけん顔じゃが、どうして儂の店の中に居るんじゃ?」

「そ、それは……」
 
そんなこと一番知りたいのは私の方だ! 何がどう起こってじぃじの前に居るのか分からないのだから。

でも今はこの状況をどうじぃじに説明するかを考えなければならない。何て言えば信じてもらえるのだろうか?

「お前さん……もしかして」
 
じぃじは目を細めると、確信したように聞いてきた。

「ひょっとしてお前さん、今日来るって言っておったお手伝いさんかね?」

「……はい?」
 
お手伝いさんって誰のことだろう? じぃじの言葉に首を傾げた時、私をお手伝いさんだと勘違いしてか、じぃじはガシッと両手を掴んで来た。

その力が思ったよりも力強くて、驚いた私の体はビクッと跳ねる。

「いや〜、待ってたんじゃよ。時間になっても来ないから、先に作業を始めてしまってのう」

「は、はあ……」
 
作業って何の作業の事だろう? てゆうかその前に私はお手伝いさんではない。じぃじは別の誰かと私を勘違いしているのだ。

「あの……私はお手伝いさんではなくて」
 
今日ここに来たのはじぃじの遺品整理をする為だ。じぃじを手伝う為に来たのではない。

「なんじゃ、違うのか? だとしたらお前さんは――」

「ああっ! 今思い出しました! 今日ここを手伝うように言われてきました!」